物理屋の不定期ブログ

読書感想を中心とした雑多な内容のブログ。拙著「量子力学」に関係した記事も含む。

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

トマス・S・クーン著「科学革命の構造: 50周年記念版 青木薫訳」のイアン・ハッキングによる「解説」を読んだ

Amazonにある宣伝文によると、この訳は、知識の進歩とは何かについての固定観念を抜本的に塗り替え、「20世紀の最も影響力の偉大な本」に数えられる名著の新版は半世紀ぶりの〈新訳〉である。また、新しい読者への案内としてI・ハッキングによる「序説━━五十…

物理屋の「けんか」の作法---小柴昌俊著「物理屋になりたかったんだよ」(朝日新聞社、2002年)再読

この本は、巻末にある尾関章朝日新聞大阪本社科学医療部長(当時)のあとがき「インタビューを終えて」によると、氏が2002年8月から9月にかけて小柴昌俊宅を訪ねて延べ約10時間にわたって行ったインタビュー記録をもとに(朝日新聞?)書籍編集部の赤岩なほみが…

大江健三郎「政治少年死す」(「セウ’’ンティーン」第二部)を読んだ!

1961年の雑誌「文学界」2月号に発表されて以来、2015年のドイツ語訳以外、一度も書籍化されることのなかった大江健三郎「政治少年死す」が大江健三郎全小説第三巻(講談社)に収録されている!ことを知り、図書館から借りてきて読んでみた。 まず、驚くのはこ…