高校時代漢文が好きだった私は1回生のときに司馬遷の「史記」を読んでいくという西田先生の漢文の講義を受講した。そして、試験も受けて「良」ではあるが、一応単位も取った(試験問題には五行ほどの白文を読め、という問題もあった)。西田先生はすでに還暦を過ぎておられたと思う。
講義では、西田先生の京ことばにまず強い印象を受けるとともに、途中からこの先生はそうとう学識のある人だ、ということがうすうす感じられてきた。それで、後期の試験が終わってから(!)、高校時代推薦され購入していた「角川漢和中辞典」に加えて、先生が唯一推奨できる漢和辞典として言及された小川環・西田太一郎編の「新字源」も、その先生のことばを重いものと考え購入したのだった。