最近、物忘れのひどさを家内に指摘されることが多い私であるが、今日は我ながら唖然とするできごとがあった。ここにその「悲報」を報告し今後の戒めとしたい。
大江健三郎が亡くなって関連記事を読んでいるうちに、どうやらまだ私が読もうとして読めていない「同時代ゲーム」と「M/Tと森のフシギの物語」が「万延元年のフットボール」以降では最重要な作品らしいことが確認できた。
「ああ、両方とも文庫本で持っていたなあ、読んでみよう、いや、ちょっとペラペラでも眺めてみよう」、とあちこち何日も探したが見つからない。定年のとき研究室の図書や資料を持ち帰る時ひょっとして処分してしまったのかもしれない、「ああ何と馬鹿なことを!」と思い悔やんだ。
しょうがなく、Amazonで両方ともカートに入れて「ポチッ」と押そうかどうか迷ったあげく、一度は手元にあった2冊とも買うのはなんとなく癪に障るので、まずは1冊ということにし、「同時代ゲーム」を短く読みやすくしたと言う「M/T」を「ポチ」った。それが今日届いた。それを机の近くの本棚に並べようと思い他の本を少し移動して整理していたそのとき!!
机のすぐ横の奥の深い本棚の中に並んでいるその2冊!それは見まごう事なきあれほど探しに探し回った件の2冊だ。
そうだった、尾崎真理子著「大江健三郎全小説全解説」というとんでもない題に誘われて買って読んだ2年前、この2冊は是非読まなければいけないと思いすぐ読めるように机の横に移動させていたのだった。その後、この難物を読み始める決意ができない(ちなみに、同様に傑作の「万延元年のフットボール」は1行、いや1句読んではいろんな想念が沸き起こって、私は全部を読み切るのに10年以上かかった)まますっかり忘れてしまっていたのだった、、、